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トラウマ~よみがえる心の傷

2015-04-07

 おはようございます。大阪市梅田は雨模様です。今日もブログをご訪問して頂きまして、どうもありがとうございます。

 

 

…「トラウマを持つ人は二つの時計を持つようになる」という言葉は、ある有名な心理学者の言葉です。

「一つ目の時計」は、その出来事から止まって動きません。五年たっても、十年たっても、それは風化しないで心が凍りつく体験であり続けます。

 

しかし「もう一つの時計」は容赦なく時を刻んでいきます。どんどん月日だけは経ち、周囲の解釈もどんどん変わっていきます。

 

トラウマとなる出来事は、さまざまです。

 

地震、災害で何もかも失ってしまう経験、大切な友人を交通事故で失う経験、犯罪の被害者になる経験、親からの虐待、などたくさんあります。

 

周囲から見てもその悲劇の度合いが分かるものはないでしょう。何が心を突き刺し、心をえぐるのか、それはその当人がどう感じたかによるからです。

 

トラウマとなる心の傷は、周囲の人間の安易な判断では、とても計り知れないものがあります。

 

トラウマは単なる「ストレス」とは違います。日本語に訳せば、トラウマは「心的外傷」ですが、では心の傷とは何なのかと考えると、それを定義するのは難しいです。

 

交通事故で娘さんを亡くされたお母さんが、講演会でご自身の心の状態について話をされていたことがありました。その方は、白い紙をクシャクシャに丸めて手のひらに置き、「自分の気持ちは、この紙のようなものだ」と言われました。紙の形は、はじめとまるっきり変わってしまいました。

 

手の上に静かに置いていると、クシャクシャした紙も少しずつは戻ろうとします。でも、急に広げてしまうと紙は破れてしまいます。「娘を亡くしてから何年もずっとその状態が続いている」、とそのお母さんは言われました。

 

一度でもクシャクシャになった紙は、どんなに丁寧に広げてみても二度と折り目が消えることはありません。そうっと広げて何とかもとに戻そうと思っても、戻ることのないが残ります。

 

 

…本当に悲しいことが多くあり、理不尽なことがありますが、

トラウマとなる特徴は何なのでしょうか。

 

まず最初に、出来事が予測不能であること。予測できれば、備えることが出来ます。

 

しかし、トラウマとなる出来事は、不意にやって来るし、その後、どうなっていくのかすら分からない、ということがあげられます。

 

二つ目に、コントロールが出来ないこと。自分の力では事態を操ることができません。少なくともその力がその瞬間はないから、コントロールを失うのです。あらゆる意味で圧倒的な出来事の中で、ギリギリまで追い詰められて、自分で対応できる余地のない制御不能な状態です。

 

特に、目に見えない心理的な圧迫は、他人から理解が得られず、周囲の無神経な関わりがトラウマを深刻化するケースもあります。

 

その出来事をどう捉えるかは人の数だけ違うので、「それをどう受け止めるべきか」という結論を出すことは意味のないことでしょう。

 

どのような遺伝的気質(性格の核)を持っていて、どのような環境で育ったのかも大きく影響すると考えられます。

そこを紐解いていくことから、治療や回復のプロセスは始まると考えられます。

 

 

トラウマの後の症状はさまざまですが、ほぼ次の3つに分類されると考えられています。

 

①再体験(フラッシュバック

尋常でない体験は、時に記憶をなくさせるほどの「侵入」を受けます。そのような体験は、普通の記憶としてではなく、「外傷的な記憶として心に格納される」と考えられます。

 

過酷な場面の「記憶」が自動的によみがえる体験、それが「再体験」です。この再体験もまた侵入的に起こります。つまりトラウマとなる体験は、あるいは繰り返しで何度も何度も「侵入」を受けるのです。

 

普通ならば、人は思い出したい時に、思い出したいものを思い出すことができるのですが、外傷的な記憶はそういったコントロールが出来ません

向こうから記憶が「侵入」してくるのです。そのような記憶の再生は生々しい恐怖の感情が伴っていますから、とてつもない苦痛をもたらします。再体験(フラッシュバック)の特徴は、それをコントロールできないことです。

 

②回避

再体験の症状が苦痛をもたらすために、今度はそれを避けようとする「回避」が起こります。場所そこに居た人たち関係者に会うこと自体を回避します。空間や人物は、トラウマを想起させるからです。

起こった場所には近づかない。その場にいたあらゆる人との接点を断つ。加害者と似ているタイプの人に近寄らない。考えること自体をやめる。

 

そのようにたくさんの回避が行われます。もちろん、回避することによって苦痛は避けられるのですが、このために活動の範囲は狭まります。また、感情の幅も狭まってしまいます。

 

③過剰覚醒の持続

常にリラックスできない、緊張している、という症状です。まずリラックスを必要とする睡眠が難しくなります。

寝入るのが難しかったり、途中で覚醒してしまったり、熟睡感がなかったり、さまざまな睡眠障害がでてきます。

 

また、いつも緊張状態なのでイライラしやすく、感情が不安定になってしまいます。集中も困難になっていきます。

 

 

…このように、トラウマを体験した人は、まず、その体験に圧倒されてしまいます。

 

なすずべがない、と感じています。恐怖や、苦痛や、いろいろな否定的な感情に襲われますが、それも自分でコントロールできません。

 

トラウマの治療の目的は、イヤな記憶をなくすことではありません。

むしろ、最終的にはその場面をいかに客観的に捉えることができるか、ということがポイントになると考えられます。

 

そのためにはその出来事を引き起こした前の段階にまでしっかり掘り下げて、問題の原因を知り、腑に落としていくことでしょう。そしてその意味付けを変えていくことです。

 

そのような体験があってもそこからまた生きられる、自分や他者を大切に出来る、という感覚を得ることが目標です。

 

 トラウマを経験することで、一回り大きな考え方が出来るようになったり、以前とは違った自分なりの生き方を見出していくことが大切なことかもしれません。

 

生きる意味を感じながら日々生活していくプロセスの中で、かつてのトラウマは心の中で段々とひっかからなくなるでしょう。

 

潜在意識は大きな力を持っています。ヒプノセラピー(催眠療法、インナーチャイルド療法、前世療法)でより多くの癒しやトラウマからの改善をと願っております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最後まで読んでくださってどうもありがとうございました。

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